美輪明宏さんの訃報を聞き、かつて学生の頃に美輪さんの著書に励まして頂いたことを思い出しました。
今回はまだ読んだことのなかった五冊を拝読させていただきました。
『乙女の教室』美輪明宏著
2008年8月31日第1刷発行
株式会社集英社
素敵な女性になるための秘訣を美輪さんの美学と経験に基づいて教えてくれる一冊。
24の課題に対する答えと、付録として美輪さんがよく使うキーワード50個を美輪さん流解釈で解説した「美輪語辞典」つきです。
「心を込めて挨拶をしましょう」というベーシックなものから「嘘は上手につきましょう」というユニークなものまで、素敵な大人の女性になるための基本を読者に語りかけるように解説されています。
出版は2008年と20年近く前ですが、今読んでも古さを感じさせません。
よくある女性向けモテ本の「女子」を前面に出したHow toではなく、人としての振る舞いが根底にあるので大人の品格ある女性を目指す方が改めて自分の振る舞いを見直したり、新しい視点を得るために読むのもおすすめです。
『美輪明宏のおしゃれ大図鑑』美輪明宏著
2005年8月31日第一刷発行
株式会社 集英社
美輪さんといえば素晴らしい歌声もさることながら、金髪と場に合わせた美しいドレスを真っ先に思い浮かべる方が多いかもしれません。
この本を読むと美輪さんが何を美しいと考えどんな人物に憧れたのか、あの服装を選ぶに至った背景が読み取れそうです。
美輪さんのおすすめする映画や香水などが実名で挙げられているので美輪さんファンは必読の書かと思います。
おしゃれで洗練された方の書かれた文章を読むとまるで私自身がおしゃれになったような気がしてきますね。
『乙女の教室』は美しい女性になるための心の持ち様を。こちらの本は香水やインテリアなど身体の外側にある物質を通して自らを美しくする秘訣が書かれています。
『人生はドンマイドンマイ』美輪明宏著
2013年12月15日第1刷発行
一般社団法人 家の光協会
この本は月刊誌『家の光』(家の光協会刊)2010年12月号~2013年11月号に掲載された「美輪明宏の人生相談」をまとめたもの。
仕事や家庭、人間関係について寄せられた様々な相談に美輪さんがアドバイスをしています。
相談者になった気持ちで回答ページを見ると歯に衣着せぬ回答にビックリすることもありつつ、こんな考え方もあったのかと納得し、私だったらどうするかしらと思案しながら読み進めました。
人生経験豊富な美輪さんだからこそ見抜ける人間の心理もあるのでしょうね。質問者を時に励まし、時には叱り。
私の人生では体験し得ない他所様の人生を垣間見て、自分の人生の糧にさせていただきました。
『日本人なら「気品」を身につけなさい』著者 瀬戸内寂聴 美輪明宏 平野啓一郎
2008年2月10日初版第一刷発行
株式会社 扶桑社
この本はフジテレビ「ボクらの時代」2007年5月6日、13日に放送された回に番組未放送分も含めて若干の加筆・訂正・削除を行ったもの。
瀬戸内寂聴さんと美輪明宏さん、そして小説家の平野啓一郎さんという「枠を外れた」方々の鼎談。
瀬戸内さんと美輪さんは長年の親交があり、また瀬戸内さんが平野さんを美輪さんにご紹介されたのがご縁だそう。
タイトルには「気品」とありますが、気品に限らず恋やスピリチュアルなど様々なお話をされています。
私が一番ドキッとしたのは「中身のない人間は一目でわかる」ということ。
この世で生きて行くためには愛想笑いも大事な社交術の一つと思うのだけど、バレていたのかしらと反省もひとしお。
色々なお話をされていますが、その根底にあるのは「いかに生きるか」ということだと思います。
よりよく生きていくための秘訣が散りばめられた一冊。
『微笑みの首飾り』新装版
平成二十年七月十四日新装版第六刷発行
いかに美輪明宏という人が長い間第一線で活躍されていたのかということが、この出版年からもよくわかります。
この本は釈尊の思想を日常生活そのものとして求める勉強会『南無の会』にて美輪さんが講師の一人として行った辻説法七講を書籍化したものです。
美輪さんがこのような活動をされていたことも知りませんでしたが、こんなに仏教に明るい方だったのかと驚きました。
美輪さんの経験や仏法を交えつつ、より善く生きていくためのコツや考え方を提示してくれています。
正直この表紙で、微笑みと銘打ったタイトルから仏法が始まるとはびっくりしました。
上記4冊と比べるとやはり仏教的なお話が多いです。
ですが特定の宗派や信仰に依るのでななく、あくまで釈迦の教えと美輪さん個人の考えに基づいて書かれているので抵抗なく読むことが出来ました。
個人的に自分の生活に活かせる言葉がたくさん有ったのでメモをしながら読み進めました。
この本の中で一番心に響いたのは「即是道場」という言葉。
自分の体のおもむく所はすべて教会であり、神社であるということだそうです。
毎日の生活そのものが修行ということだと思います。
読み終えてから自分の部屋の乱雑さにげんなりしてしまいました。
私がいるこの場がお寺だと思えば部屋を整えて清々しい気持ちで過ごしたいですね。
個人的には美輪さんの著書の中では一番好きな本でした。
(追記)
私が美輪明宏さんを知ったのはもののけ姫のモロ役がきっかけで、その後はオーラの泉や人生相談などのテレビ番組で度々拝見してきました。
戦後80年の日本の成長とともに歩んだその人生は壮絶で、その中で培った経験や技術・生き方を、愛をもって他者に伝えてきていらっしゃったと思います。
いくつかの著書を読む中で、読者に分かりやすいよう平易な文章で書かれた言葉の裏に膨大な知識、教養を感じました。
いったいそれを身に着けるためにかけた努力や時間がどれほどのものだったかは分かりませんが、彼が生きて行く上で必死に掴んだ生きる上での知恵を、こうして何度も読み返せることは幸いなことだと思います。

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